起立性低血圧
起立性低血圧とは|原因と症状をわかりやすく解説
起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)とは、座っている状態や寝ている状態から立ち上がった時に血圧が急激に低下し、めまいやふらつきを起こす病気です。
立ち上がった瞬間に「クラッ」としたり、ひどい場合には意識を失って倒れてしまうこともあります。
普段、私たちの体は、急に立ち上がると血液が下半身に一時的にたまるのを素早く補正し、脳への血流を保つように働きます。しかし、この調節機能がうまく働かない場合に、脳への血流が不足して症状が出現するのです。
起立性低血圧の原因
血圧調節の仕組みと障害
起立性低血圧は、血圧を調整する自律神経の働きが低下することで起こります。
具体的な原因としては次のようなものがあります。
- 加齢による自律神経の低下
- 脱水
- 貧血
- 糖尿病による神経障害
- 高血圧の薬、睡眠薬、抗うつ薬
- 長期の臥床
特に高齢者は、血圧調節機能が低下していることが多いため、「立ち上がりのめまい」を自覚しやすい傾向があります。
起立時の症状
めまい・ふらつきが起こる理由
立ち上がった直後は血液が下肢にたまり、脳に届く血液が一時的に少なくなります。
その結果、
- 視界が暗くなる
- フワッと浮くような感じ
- 足元が不安定になる
といっためまいやふらつきが出現します。
これは、耳の病気による「回転性めまい」と異なり、身体がふらつくような「動揺性めまい」が特徴です。
失神の危険性
脳への血流がさらに減ると、短時間の意識消失(失神)を起こすことがあります。
転倒によるケガを防ぐためにも、原因を明確にし、治療と対策を行うことが大切です。
起立性低血圧と起立性調節障害の違い
病気のメカニズムの違い
起立性低血圧の特徴
起立性低血圧は、立ち上がった直後に血圧が急激に下がることで症状が出る病気です。
特に高齢者に多く、他の疾患(糖尿病、中枢神経疾患など)や、服薬内容が影響することがあります。
起立性調節障害との相違点
起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は主に小児〜思春期の子どもに多い自律神経失調の一種で、
- 午前中に調子が悪い
- 立ちくらみ
- 動悸
- 倦怠感
などが特徴です。
起立性低血圧は“血圧の急低下”が原因、起立性調節障害は“自律神経のアンバランス”が原因という違いがあります。
同じ「立ちくらみ・ふらつき」を起こしますが、病態は異なります。
年齢層にみられる傾向
高齢者に多い理由
高齢になると、血圧を調整する自律神経が弱くなり、心臓から脳への血流が不安定になります。
そのため、「立ち上がりのふらつき」は高齢者に非常に多い症状です。
小児・思春期に多い起立性調節障害
一方で、小児や思春期にめまいが多い場合は、起立性調節障害の可能性が高く、耳鼻科や小児科での評価が必要です。
起立性低血圧の診断方法と診断基準
診断の流れ
血圧測定と起立試験
診察では、仰向けでの血圧測定 → 立位での血圧測定を行います。
立ち上がった直後の血圧の変化を見ることで診断に近づきます。
また、必要に応じて以下の検査を行います。
- 心電図
- 採血(貧血のチェック)
- 薬剤の確認
- 脱水の確認
診断基準
具体的な診断基準
世界的に広く使用される診断基準では、以下のいずれかを満たす場合に起立性低血圧と診断します。
- 立ち上がった後 3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下
- または 拡張期血圧が10mmHg以上低下
この数値は、立ちくらみやふらつきなどの症状と合わせて総合的に診断されます。
起立性低血圧の治療と日常生活の工夫
治療方法
薬物療法
必要に応じて、
- 血圧を保つ薬
- 自律神経を整える薬
を使用します。
高血圧の薬や睡眠薬などが原因の場合は、内科と連携しながら薬の調整を行います。
非薬物療法(運動・水分摂取)
- こまめな水分摂取
- 軽い運動で血流を改善
- 弾性ストッキングの使用
などが有効です。
脱水状態は症状を悪化させるため注意が必要です。
生活指導
立ち上がり方と再発予防
起き上がる際は、
-
ステップ1:座って待つ
まず座って数秒待ちます。 -
ステップ2:ゆっくり立ち上がる
その後ゆっくり立ち上がります。
ことで症状の予防が可能です。
急に立つことでめまい・ふらつきが起こり、転倒につながる危険があるため注意が必要です。
耳鼻咽喉科で対応できること
耳鼻科は「めまい」を専門的に扱う診療科であり、
- めまいの性質の見極め
- 耳性めまいとの判別
- 起立性低血圧の適切な診断
を行うことができます。
必要に応じて内科・循環器科との連携もしております。
きたむら耳鼻咽喉科クリニックは堺市東区、南海高野線初芝駅から徒歩2分の好立地、モール共用の駐車場、駐輪場を完備しています。
