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舌下免疫療法

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を、ごく少量ずつ体に取り入れる治療法です。だんだんと体をアレルゲンに慣らしていくことで、体の過剰反応を治します。長期にわたり症状を抑え、完治も期待できる治療法です。アレルギーの薬(抗ヒスタミン薬など)の使用量を減らせる、あるいはのまなくてよくなる点もメリットです。

舌下免疫療法の種類

対象となるアレルゲン

アレルギー性鼻炎の原因として日本で最も多いのがスギ花粉、次いでダニ(ハウスダスト)です。
舌下免疫療法が行えるのは、この2種類です。

スギ

スギ花粉舌下免疫療法は、花粉が飛散していない時期(6月〜12月)に治療を開始します。めったにおこりませんが、アナフィラキシーショックという重篤なアレルギーを防ぐための対策です。

ダニ

ダニは一年中存在するため、ダニアレルギーによる鼻炎は通年性の症状が特徴です。
ダニ舌下免疫療法では、ダニに対する免疫の過剰反応を抑え、年間を通して症状を軽減することが期待できます。

舌下免疫療法の治療前に必要な検査

アレルギーの確定診断

舌下免疫療法を開始するには、原因アレルゲンの確定診断が必須です。
検査には以下の方法があります。

採血によるアレルギー検査
迅速検査
より正確な診断や、治療効果判定の指標として、当院では採血検査を推奨しています。
他院で検査を受けた方は、2年以内の検査結果をご持参ください。

舌下免疫療法の実際の投薬

自宅で1日1回、舌の下に薬を置く簡単な投薬方法

治療は、アレルゲンを含んだ治療薬を舌の下に置き、1〜2分保持した後に飲み込みます。
初回のみ当院で医師の監督下で服用し、30分間待機となります
めったにおこりませんが、アナフィラキシーショックなどの重篤なアレルギーが出現しないか、確認するためです。
2日目以降は自宅で毎日服薬します。通院頻度も月1回程度ですので、学業や仕事などでお忙しい方にも適した治療となります。

スギ花粉舌下免疫療法(シダキュア)

服用量・服用スケジュール

シダキュア2,000JAU:治療開始1週目(初回のみ院内での投薬、30分院内での待機)
シダキュア5,000JAU:2週目以降の維持量
最初の1週間は低用量で体を慣らし、その後は維持量を長期間継続します。

期待できる効果

スギ花粉症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ)の著明な改善
抗アレルギー薬の減量、または不要になる可能性

ダニ舌下免疫療法(ミティキュア、アシテア)

ミティキュア3,300JAU:治療開始1週目(初回のみ院内での投薬、30分院内での待機)
ミティキュア10,000JAU:2週目以降

6か月以上問題なければ、アシテアへ移行していきます。

アシテア100単位(IR)1錠:治療開始1週目(初回のみ院内での投薬、30分院内での待機)
アシテア100単位(IR)2錠:治療開始2週目
アシテア300単位(IR)1錠:治療開始3週目以降
※副作用などで増量期間を適宜長くとることがあります。

期待できる効果

ダニに対するアレルギー反応を根本から改善します。
一年を通した、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を著しく軽減、または消失させます。
アレルギー治療薬の使用量を減らすことができます。

舌下免疫療法の副作用

主な副作用として、口腔内の腫脹、痒み、のどの違和感が挙げられます。多くは一時的で治療継続とともに軽減します。症状の多くは内服開始後1ヶ月間に起こり、特に最初の1週間に症状が出やすいです。

のどの違和感、お腹の症状が続く場合、「吐き出し法」といい、舌の下に含んだ後、飲み込まずに薬を吐き出すことで副作用を軽減させる方法があります(効果は飲み込んだ場合と同等と報告されています)。
治療開始後3か月-1年ほどは抗アレルギー薬を併用することで、副作用の軽減を図ることが出来ます。

重大な副作用(アナフィラキシーショック)

以下のような副作用が出た場合は、アナフィラキシーショックの可能性がありますので、救急車をすぐに呼び、迅速な対応が必要です。

意識がおかしい
ふらふらする、顔や唇が蒼白になる
息苦しい、ゼーゼー・ヒューヒュー呼吸音がする
全身が赤く、じんま疹が出る、顔が腫れぼったい
強い胃痛、吐き気、下痢など
眼が見えにくいなど

舌下免疫療法のおすすめの方

・症状が強くて生活に支障をきたしている方(鼻水が多くて、仕事や勉強が手につかない、鼻閉がしんどくて夜もねむれないなど)
・いろんな薬を試したが、良くならない、眠気がでる方
・毎年スギ花粉に悩んでいる方
・妊娠を考えている方(妊娠前には治療開始が可能ですが、妊娠中には治療開始ができません。)

舌下免疫療法を受けることが出来ない方

以下に該当する方は舌下免疫療法を受けることができません。

● ダニアレルギーが検査(血液検査や迅速検査)で証明されていない方
● 4歳未満の方
● 65才以上の方
● 病状が不安定な気管支喘息の方
● 現在妊娠中、授乳中の方
● 癌や免疫系の病気で治療中、または経過観察中の方
● ダニアレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状を起こしたことがある方
● ステロイドの内服薬や注射薬の投与を受けている方
● 抜歯や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
● 以下のお薬を使用されている方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ)

非選択的β遮断薬
ボピンドロール(サンドノーム)、ピンドロール(カルビスケン、プロクリン、ビリンガル、レットリット、ブロクリン)、カルテオロール(ミケラン、チオグール、メルカトア)、ペンブトロール(ベータプレシン)、プロプラノロール(インデラル、カルデノロ-ル、ベタプロ、ソラシロール)、ナドロール(ナディック)、ニプラジロール(ハイパジール)、チリソロール(セレカル)

三環系抗うつ薬
イミプラミン(トフラニール、イミドール)、クロミプラミン(アナフラニール)、アミトリプチリン(トリプタノール、ノーマルン)、アモキサピン(アモキサン)、ドレスピン(プロチアデン)、トリミプラミン(スルモンチール)、ロフェプラミン(アンプリット)、ノルトリプチリン(ノリトレン)

モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAO阻害薬)
リネゾリド(ザイボックス)、セレギニン(エフピー)、イソニアジド(イスコチン、ヒドラ)、プロカルバジン

よくある質問(Q&Aコーナー)


Q. 薬を飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
A. 気づいた時点で、その日の分を1回分のみ服用してください。
翌日になってしまった場合は、前日の分は服用せず、当日の分だけを1回分服用してください。
絶対に2回分をまとめて服用しないでください。

体調不良などで中断する場合の再開についてですが、数日-2週間程度の場合は同じ量で再開します。
2週間以内の休薬では、同じ量で再開可能ですが、 2週間以上の休薬の場合には、初回投与量から再開します。アナフィラキシーショック予防のための処置です。長期間の飲み忘れや薬不足には十分注意してください。


Q. 高齢者でも舌下免疫療法は受けられますか?
A. 当院では、65歳までの方を一般的な治療対象年齢としています。
年齢だけでなく、全身状態や併存疾患の有無を考慮し、個別に判断いたします。


Q. 妊娠中・授乳中でも治療は可能ですか?
A. 妊娠中および授乳中の新規治療開始は行っておりません。
治療初期にはまれに重篤な副作用が起こる可能性があり、その影響が胎児に及ぶリスクを考慮するためです。
すでに治療を開始しており、副作用のない安定した状態で妊娠された場合には、必ずしも治療を中断する必要はありません。
妊娠前から治療を継続している場合は、授乳中も継続可能と考えられています。


Q. 旅行などで数日間、薬を服用できなかった場合はどうなりますか?
A. 舌下免疫療法開始直後の場合は、休薬日数によっては治療を最初からやり直す方が安全なことがあります。
一方、すでに維持量に到達し、十分な期間が経過している場合は、1か月以内の休薬であれば維持量から再開可能と考えられます。
再開時は必ず医師にご相談ください。


Q. たまに飲み忘れることがありますが、どうしたらいいですか?
A. 毎日服用することが最も望ましいですが、治療は長期間に及ぶため、たまの飲み忘れることもあると思います。週に1~2回程度の飲み忘れであれば、治療効果に大きな影響はないと考えられます。
ただし、長期間の中断後に再開する場合は注意が必要です。


Q. ダニアレルギーとスギ花粉症の舌下免疫療法を同時に行うことはできますか?
A. はい、可能です。最初の治療薬を開始し、1か月間副作用がなければ、もう一方の治療を追加できます。
2種類目の薬を開始してから1か月間は、
新しく開始した薬:朝に服用
先に使用していた薬:夕方に服用
と時間を分けて服用してください。これは、副作用が出た場合に原因薬剤を判断しやすくし、対応しやすくするためです。

2種類目の治療開始から1か月以上経過すると同じ時間帯に服用しても問題ありません。
ミティキュアとシダキュアは、どちらから服用しても構いませんが、それぞれ1錠ずつ服用してください。服用間隔をあける必要はありません。

院長からの一言

長期的な視点で考えるアレルギー治療

舌下免疫療法は、時間と根気が必要な治療ですが、アレルギー体質そのものを改善できる治療法です。
症状に悩まされる毎年を変えたい方、薬に頼らない生活を目指したい方は、ぜひ一度ご相談ください。当院では、安全性に十分配慮しながら、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。

 

きたむら耳鼻咽喉科クリニックは堺市東区、南海高野線初芝駅から徒歩2分の好立地、モール共用の駐車場、駐輪場を完備しています。WEB予約やWEB問診に対応した、通いやすさと利便性を兼ね備えたクリニックです。どうぞお気軽にご相談ください。

記事監修

北村貴裕
きたむら耳鼻咽喉科クリニック院長

略歴

2005年大阪大学医学部医学科卒業
近畿大学耳鼻咽喉科医学部講師、大阪労災病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科副部長、南堺病院耳鼻咽喉科非常勤医を歴任。
2027年5月きたむら耳鼻咽喉科クリニック開院予定

資格

  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科専門医・専門研修指導医
  • 日本耳科学会認定医
  • 厚生労働省認定補聴器適合判定医
  • 難病指定医

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