慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎とは
副鼻腔とは?その役割
副鼻腔は、鼻の周囲にある空洞の総称で、上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞の4つがあります。これらは鼻とつながっており、吸った空気を温めたり、頭の重さを軽くする役割があります。通常、副鼻腔の中は粘膜の働きで換気され、分泌液が排出され続けていますが、この流れが悪くなると分泌物が溜まります。
慢性副鼻腔炎の定義
日本鼻科学会の鼻副鼻腔炎診療の手引き2024によると、
鼻副鼻腔炎は、鼻副鼻腔の炎症により、鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳嗽などの症状を呈し、頭痛、頬部痛、嗅覚障害などの症状を伴う疾患と定義されています。
慢性副鼻腔炎は、鼻や副鼻腔の炎症が12週間以上持続する状態です。典型的な症状には、鼻づまり・鼻水・においの低下(嗅覚障害)、後鼻漏(鼻水がのどにおちる)などがあります。急性副鼻腔炎と異なり、炎症が長期間にわたり続きます。
慢性副鼻腔炎の原因
感染(細菌)による炎症の持続
風邪などのウイルス感染をきっかけに、副鼻腔の粘膜が腫れ、細菌が増殖して炎症が長引くケースがあります。一部の細菌はバイオフィルムと呼ばれる膜を作り、抗生剤が効きにくくなることもあり、治療が長期化する原因となります。
アレルギー性鼻炎との関連
アレルギー性鼻炎があると粘膜が腫れやすく、副鼻腔の排泄路(自然口)が閉鎖することで、慢性副鼻腔炎の原因となることがあります。アレルギーの管理が、慢性副鼻腔炎治療の重要なポイントになることも少なくありません。
鼻茸(鼻ポリープ)を伴うタイプ
鼻茸(鼻ポリープ)は慢性の炎症により鼻の粘膜が腫れてできる炎症性の病変です。鼻茸が大きくなると、鼻づまりや嗅覚低下を引き起こします。鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎は薬物治療での改善が難しく、手術が必要になる場合もあります。
慢性副鼻腔炎の症状
鼻閉・膿性鼻水
鼻づまりや粘り気のある鼻水が続き、息苦しさや睡眠の質の低下を招きます。後鼻漏があると、鼻水が喉の方へ流れ、咳や違和感の原因となります。
においが分かりにくい(嗅覚障害)
嗅覚障害は慢性副鼻腔炎の代表的な症状です。粘膜の腫れや鼻茸により、嗅裂というにおいの通り道が塞がれることで起こります。治療により改善するケースも多いですが、長期放置すると回復しにくくなるため早期の対応が大切です。
慢性副鼻腔炎の検査
嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー
細い内視鏡を用いて鼻の奥を直接観察します。膿性鼻汁の有無、副鼻腔入口部の腫れを確認します。診断に非常に有用です。
鼻副鼻腔CT検査
鼻副鼻腔CT検査では下記のことがわかります。
副鼻腔炎の有無
polypの有無、部位、大きさ
浮腫状粘膜の有無、程度
鼻中隔の湾曲の有無、程度
下鼻甲介の腫脹
鼻副鼻腔の腫瘍の有無
慢性副鼻腔炎の治療
薬物治療(保存的治療)
マクロライド少量長期療法
マクロライド系抗生剤を少量で長期間使用する治療法が一般的です。これは抗菌作用だけでなく、気道粘膜の炎症を抑える抗炎症作用や線毛運動を活性化させることを期待した治療です。副作用が少なく、慢性副鼻腔炎の第一選択となります。マクロライド系の中でもクラリス、クラリスロマイシンが最もよく使用され、抗生剤としては2T分2で内服しますが、少量長期療法では、1T分1で内服をおおよそ3-6ヵ月程度内服します。
ステロイド点鼻薬
粘膜の腫れを抑え、鼻づまりや嗅覚低下の改善に有効です。全身への影響が少なく、長期の使用が可能です。
ネブライザー吸入
院内で行う吸入療法で、薬剤を霧状にして鼻の奥まで届け、粘膜の炎症を改善します。
手術治療(内視鏡下副鼻腔手術:ESS)(*当院では施行しておりません)
当院では、鼻茸摘出術(K340)のみを局所麻酔下に施行します。
内視鏡を用い、鼻の中から副鼻腔を開放する低侵襲(体への負担が少ない)手術です。外から切開する必要がないため、回復も早く、再発の抑制にも効果があります。
再発を防ぐためにできること
日常生活でのポイント
鼻うがいの活用
生理食塩水を使った鼻うがいは、鼻腔内の汚れを除去し、感染や炎症の悪化を予防します。手術後の維持療法としても非常に有効です。
アレルギー対策
アレルギー性鼻炎がある方は、ダニ・ハウスダスト・花粉の対策をすることで、副鼻腔炎の悪化を防ぐことができます.
きたむら耳鼻咽喉科クリニックは堺市東区、南海高野線初芝駅から徒歩2分の好立地、モール共用の駐車場、駐輪場を完備しています。
