好酸球性中耳炎
好酸球性中耳炎とは
好酸球性中耳炎は、中耳の粘膜に好酸球が浸潤し、にかわ状(ねば〜とした状態)の中耳貯留物が溜まってる難治性中耳炎です。急性中耳炎や滲出性中耳炎と異なり、進行すると高度難聴を引き起こすことがあります。そのため、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。
好酸球とは、アレルギー反応や炎症に関わる免疫細胞です。アレルギー疾患や喘息などで増えることがあります。
好酸球性中耳炎では、この好酸球が中耳に炎症を起こし、粘度の高い耳漏を作り出したり、中耳粘膜に強い炎症を引き起こします。
一般的な中耳炎との違い
通常の中耳炎では、細菌感染が主な原因で、抗菌薬で改善することが多いのが特徴です。
一方、好酸球性中耳炎はアレルギー性炎症が背景にあり、抗菌薬は効果がありません。副腎皮質ステロイドによって炎症を抑える必要があります。
好酸球性中耳炎の診断基準
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必須項目:
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好酸球優位な中耳貯留液の存在が確認されること。これは、耳の中ににかわ状の液体が溜まっている状態を指します。
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小項目(以下のうち2項目以上を満たすこと):
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ニカワ状の中耳貯留液: 中耳に溜まる液体が非常に粘度が高い
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従来の治療に抵抗性: 一般的な中耳炎の治療が効果を示さない
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喘息の合併: 気管支喘息を持っている
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鼻茸の合併: 鼻の中にポリープが存在する
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除外基準:
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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症や好酸球増加症候群が除外される必要があります。
好酸球性中耳炎の関連疾患
気管支喘息・好酸球性副鼻腔炎との関連
好酸球性中耳炎の方の多くは、気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎を高率に併存しています。
これは好酸球が体のさまざまな部分に炎症を起こす疾患群と考えられており、耳・鼻・気道の治療を総合的に行うことが重要です。
好酸球性中耳炎の症状
粘性の耳漏、中耳貯留液
粘り気が強く、黄色〜褐色の耳漏が続くことが特徴です。耳の中に好酸球が多く存在するため、しばしば粘液性のべたついた耳漏が見られます。
高度難聴
中耳の炎症が慢性化すると、中耳の粘膜が腫脹し、耳小骨の可動性が不良となります。また、炎症が内耳(蝸牛)まで波及すると骨導低下をきたし、高度の難聴となることがあります。
早期治療が重要です。
好酸球性中耳炎の診断方法
耳鏡・顕微鏡・内視鏡検査
粘り気の強い耳漏や、中耳粘膜の腫れ、ポリープ状の所見を確認します。特に顕微鏡・内視鏡は観察に優れています。
標準純音聴力検査
伝音難聴・感音難聴の程度を確認し、経過による変化を評価します。
鼻副鼻腔疾患の評価
好酸球性副鼻腔炎を合併していることが多いため、内視鏡での鼻内の観察やCTでの副鼻腔炎の有無を重要です。
中耳・側頭骨CT
好酸球性中耳炎では、CT検査を行い、中耳の炎症の程度を評価することができます。
鼻副鼻腔CT、中耳・側頭骨CTは当院よりメディカルスクエア初芝駅前のばば脳神経外科・救急・健診クリニックに依頼します。まずはきたむら耳鼻咽喉科クリニックを受診してください。
好酸球性中耳炎の治療法
薬物治療
副腎皮質ステロイド
好酸球によるアレルギー性炎症を抑えるための中心的な治療です。
- 点耳ステロイド
- 内服ステロイド
を状況に応じて使い分けます。急性増悪時には内服が効果的なことが多く、症状が落ち着いたら点耳へ移行します。
生物学的製剤
気管支喘息や好酸球性副鼻腔炎に対して用いられる注射薬で、好酸球の働きを直接抑える作用があります。副次的に好酸球性中耳炎による耳漏の改善や聴力低下の進行抑制ができることがあります。(デュピルマブ 、メポリズマブ、テゼペルマブなど)
生活・症状コントロール
好酸球性副鼻腔炎の治療を並行する重要性
好酸球性中耳炎は高率に好酸球性副鼻腔炎を合併します。好酸球性副鼻腔炎の有無および治療をすることも重要です。
定期通院の必要性
好酸球性中耳炎は慢性の経過を取るため、定期的な診察で耳の状態・聴力の変化をみていきます。
まとめ:早期診断と継続治療で進行を防ぐ
早期診断と継続治療の重要性
好酸球性中耳炎は一般的な中耳炎とは異なり、難治性の経過をたどる疾患です。しかし、副腎皮質ステロイド治療や生物学的製剤などの進歩により、症状のコントロールが可能となっています。
耳漏や難聴が続く場合、特に喘息や副鼻腔炎をお持ちの方は、早めに耳鼻咽喉科での診察を受けることをおすすめします。
きたむら耳鼻咽喉科クリニックは堺市東区、南海高野線初芝駅から徒歩2分の好立地、モール共用の駐車場、駐輪場を完備しています。
