声帯ポリープ
声帯ポリープとは|原因・症状・治療法を耳鼻咽喉科頭頸部外科専門医が解説
声帯ポリープの基礎知識
声帯ポリープとは
声帯ポリープは、喉(こう)の奥にある声帯(声をつくる器官)にできる良性の「ふくらみ(腫瘤)」です。 声帯は、左右2枚の薄いヒダが振動することで声が出ますが、ポリープができると振動が妨げられ、声がかすれる「嗄声(させい)」が起こります。 基本的に生命に関わる病気ではありませんが、放置すると声の異常が続き、仕事や日常生活に大きく影響することがあります。
声帯ポリープができる仕組み
声の使いすぎが最も多い原因です。 大きな声を出し続けたり、カラオケ・授業・接客などで長時間話すと、声帯に強い負担がかかり、局所の血管が拡張して腫れやすくなります。これが繰り返されるとポリープとして固まってしまいます。
声帯ポリープの主な症状
声のかすれ(嗄声)
最も多い症状です。 ポリープが声帯の振動を邪魔するため、声がかすれたり、低く聞こえたりします。朝よりも夕方に悪化しやすい傾向があります。
声が出しにくい・疲れやすい
ポリープのある側の声帯がうまく閉じられないため、声を出すだけで疲れたり、長時間の会話が困難になります。
のどの違和感・痛み
声帯に負担がかかるため、違和感を覚えたり、話しすぎた後に痛みを感じることがあります。
声帯ポリープの原因とリスク因子
声の酷使
教師・保育士・販売員・コールセンター・スポーツ指導者など「声を使う職業」の方に多くみられます。
喫煙
タバコの煙は声帯粘膜を刺激し、炎症を慢性化させるため、ポリープができやすくなります。
かぜ・逆流性食道炎
かぜにより声帯に炎症が起こると、ポリープの発生リスクが上がります。 また、胃酸が喉に逆流する逆流性食道炎(GERD)は声帯の慢性炎症につながります。
アレルギーや乾燥
花粉症や慢性鼻炎で口呼吸が増えると、声帯が乾燥して負担が大きくなります。
声帯ポリープの診断方法
問診と声の評価
発症の経緯・声の使い方・職業などを詳しく伺います。 嗄声の程度を確認し、症状の重症度を評価します。
喉頭ファイバー
鼻から細いカメラを入れ、声帯の状態を確認します。 ポリープの大きさ・位置・両側性か片側性かを診断するために必須の検査です。
ストロボスコピー検査(当院では施行できません)
声帯の振動をスローモーションで観察できる検査です。 振動の左右差や閉じ方の異常を詳細に評価できます。
声帯ポリープの治療
安静(声の安静)
軽度のポリープは、声を使う量を減らし、喫煙を控えることで改善することがあります。 声帯は繊細な粘膜のため、休ませることが最も基本的な治療です。
内服治療
炎症を抑える抗炎症薬や、逆流がある場合は胃酸を抑える薬を使用します。 ただし、ポリープ自体を薬で完全に消すことは難しいことが多いです。
音声治療(発声リハビリ)
声の出し方の癖を改善し、声帯に負担をかけない発声法を学びます。 声の酷使が原因の方には特に有効です。
声帯ポリープ手術(喉頭微細手術)
内視鏡を使って口から器具を入れ、ポリープを切除する手術です。 一般的に1泊入院または日帰りで行われ、傷は非常に小さく、声の改善が見込めます。 術後は声の安静が必須です。
声帯ポリープの再発予防
正しい発声方法を身につける
声を張り上げない、腹式呼吸を取り入れるなど、負担を減らす発声を習得することが大切です。
生活習慣の見直し
- 禁煙
- こまめな水分補給
- 部屋の加湿
- かぜ・アレルギーの治療
声帯の乾燥や炎症を防ぐことで再発予防につながります。
職業的に声を使う場合は定期的なチェック
歌手・教師・アナウンサーなど、声の使用が多い方は定期的に耳鼻咽喉科での喉頭内視鏡検査がおすすめです。
まとめ
声帯ポリープは、声の使いすぎを主な原因として起こる良性疾患です。 内視鏡で確実に診断でき、治療も声の安静・リハビリ・手術など多岐にわたります。 声のかすれが続くときは早めに受診することで、治療期間が短くなり、声の回復も良好になります。
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